闇がくれたもの
跋
ざあ……
闇の中降りしきる、強い雨。
腕の中の少年は、ただこちらを見上げる。
“サレディ”
唇の動きが、そのまま言葉となって伝わる。
“俺……やっぱり”
少年は、最期に微笑んだ。
“サレディのこと……信じて、いたい……”
“闇の微笑”は、その名の通りの微笑を浮かべ―――
少年の額に口付けを落とした。
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